まず、トライアスロンのスタートはウエットスーツの脱着に始まる。

ただ、ウエットスーツといっても色んなタイプがあるので、人により脱ぎ方やポイントも変わってくる。そでの無いタイプやチャックが後ろのタイプ、ワンピースタイプからツーピースタイプまで、大小の違い厚さ固さの違いなど色々なのでそれぞれコツも違う。

 

私が着ていたのはシロモト製のフルタイプで、首から手首・足首まで完全に覆われたタイプなので、水面には浮きやすいが脱ぎ着をするのに多少時間はかかる。ちなみに私が先輩から聞いたのは、海を泳いで陸に上がりながらチャックを外してそでを脱ぎながら走りバイクの前で下を一気に脱ぐ。

当時のオロロン大会ではシャワーが用意されていたので、シャワーを浴びながら上から下まで脱ぐことが出来る。だから、シャワーで全部脱いだウエットを持ちながらバイクの前に行ってバイク用のジャージを着る。

 

この時の私はバイク用のパンツをウエットの下に着て泳ぐつもりだったので、バイクの前に来るとゼッケンが付いたバイク用ジャージを着ることにした。今ではゼッケンベルトにゼッケンを付けて腰に巻くだけだが、当時の私はゼッケンベルトの存在を知らなかった。

バイクのセッティング時にはバイク本体の周りにヘルメット・シューズ・サングラス、そして上から着るバイク用ジャージをバイクの上に載せた。そして、ランのスタート地は全く違う場所なので、ラン用のシューズ・ソックス・パンツ・シャツ・帽子を、大会が用意した専用の袋に入れて搬送トラックに預けた。

ここまでしっかりセッティングしたのを確認し、更に一つ一つ脱いだり着たりするイメージを繰り返して指差し確認で何度も確認した。これらのひとつでも欠けているだけで、レースをリタイアしなくてはならないこともあるのだから、確認は何度も慎重に繰り返して後はスタートを待った。

 

30分前にはスタート場所の海を前にセレモニーがあるのだが、真夏とはいえ早朝6時30分の海は涼しくトイレに行きたくなる。寒さか緊張かよく解らない震えが私の体にも迫り、セレモニーの間にもトイレに行き最終準備に入った。

トライアスロンのスイムスタートは、基本的に水泳が早い順に前から後ろへと連なるので当然ながら私は列の一番後ろにいた。すると、一緒に練習した先輩達やトライアスロンの初心者大会に出場したメンバーが「頑張ろう!」とか「マイペースで」などと気遣って声を掛けてくれた。

もちろんスイムでビリになる覚悟はしていたが、この期に及んで制限時間に間に合うかどうかの心配もあった。海水浴場以外の場所を泳ぐのは初めてだったし、クラゲは水面から見えるくらいだったのでこれから何が起きるのか、はたして最後まで泳ぐことが出来るのか、心配でたまらなかった。