トライアスロンへの道 その6

 

トライアスロンをやると決めたものの、本格的なトライアスロンの大会に出るには様々なアイテムを揃えなきゃならないということも大きな障害だ。

実際、ウェットスーツは3~6万、ロードレース用の自転車は完成車で10~50万するという。自転車は知り合いの中古を安く売ってもらうことも出来るが、ウェットスーツは自分の体にピッタリ合ったトライアスロン用の物が良いらしいので、みんなオーダーで作っているらしい。

まさか大会に出る前にそんなに準備するものが必要だなんて…やはりトライアスロンは深すぎる。

 

一気にたくさんのアイテムが必要になってくるが、出来るだけ安く済ませたいのでまずはYさんに相談した。すると、たまたま新しい自転車を購入するので今まで使っていた自転車を安く売ってくれるというので、それなら是非と思いお願いすることにした。

Yさんのお下がり自転車を安く譲ってもらうことにはなったが、ロード用の自転車はみんな様々なパーツを自分で選んで付けるのが楽しみだったりする。もちろんYさんも自分の好きなバーツは新しく購入する自転車に使うため、私が売ってもらう自転車は完成車ではなく少々歯抜け状態になっていた。

 

最終的には本体のフレーム(三角形の部分)とシート・ギアとハンドルが残った。したがって、私が揃えなきゃならないのはタイヤ・ホイールと変速機付きのブレーキ、ペダルにシューズそしてヘルメット。

これだけでバイク本体の値段を上回ってしまったが、全て自分で選んだ新品パーツなので仕方ない。それでも完成車を買うよりは安い。これも体験会で自転車を貸してもらった自転車屋さんに、オーダーから取付まで全てお願いした。

 

そして晴れて自分の自転車は完成した。

いろんなメーカーのパーツを付けた世界に一つしかない自分の自転車だ。早速、練習しようと思ったが私の住む北海道はすでに冬を迎える時期で、外での練習は出来なくなる。室内練習用のローラーという手もあるが、とてもそこまでの予算はなかったので、私の新しい自転車は春までお預けとなった。

 

という訳で、その年のシーズンオフは地道に雪上ジョギングのみで過ごし、翌年の春になると北海道にもマラソンシーズンがやってきた。

その頃から私は、Yさんが一緒に練習しているトライアスロンチームの人達と練習することになった。しかし、その人達の練習は私が今までしていたものとは随分違っていた。

 

トライアスロンチームの人達の練習は、いつもゆっくりダラダラ走っている印象だった。

私が今までやっていたのは、常に限界のスピードまで上げて限界まで走るという練習ばかりだった。しかし、前年に足の爪がはがれた時にやむを得ずゆっくり走る練習のようなことを、トライアスロンの仲間たちは行っている。それがLSDという練習方法だということを初めて知った。

 

ご存知の方が多いとは思いますが、LSDとはロング・スロー・ディスタンスの頭文字を並べた言葉で「ゆっくり長い距離を走る」練習方法である。彼らの練習はこれがベースになっていたが、40キロジョグの最後に全力ダッシュで締める時は全く付いていけなかった。

そんな練習をしている最中に出場したハーフの大会で、今までの記録を一気に4分も縮める1時間35分台が出た。早速LSDの効果が出たのかどうかは解らないが「練習量は裏切らない」と誰かが言っていたのを思い出した。

 

 

コメント