トライアスロンへの道 その3

 

トライアスロンの体験会を前にして、今さらの話だがトライアスロンはとにかく準備が大変だ。

 

水泳~パンツorウェットスーツ・ゴーグル・キャップ

自転車~自転車本体・ウェア・シューズ・メーター・ヘルメット・グローブ・ボトル

マラソン~ランニングシューズ・帽子

 

これ以外にも細かいものは必要になるが、これらを揃えると考えるだけでトライアスロンに尻込みしてしまう人は多いだろう。

そんな準備万全?で迎えた私だったが、一つだけ大きな心配があった。それは「いまだにちゃんと泳げない」ということだ。あれから何度か市民プールで練習したが、所詮は本を見ただけの我流練習。それでちゃんと泳げるなら世の中にスイミングスクールなど必要ない。

 

私の最大の心配事はトライアスロン体験会が始まってすぐに現実のものとなった。簡単な受付を済ませ説明会を受けるのだが、そもそもトライアスロンの流れを知らないし専門用語が多くて何を言っているのかほとんど解らなかった。

そして説明会で改めて聞いたその日の距離。

「水泳800m、自転車20km、マラソン5km」

その数字を見て私は朝一でいきなりテンパった。マラソンの5kmは余裕だと思ったが、自転車も水泳も初めての距離。特に水泳の800mは、私にとって天文学的数字だった。

 

そんな状態のまま水泳(トライアスロンではスイムと言う)がスタートする。この日は市内での体験会ということもあり、スイムは海ではなくプールで行われた。

一つのコースを3人で泳ぐという、初心者の私にとっては当然初めての経験で緊張感は最高潮に達していた。同じコースの2人には「私は遅いんで」と言うのが精一杯で、とてもじゃないが今さら泳げないとは言えなかった。

初体験による緊張感と泳げないだろうという絶望感でいっぱいだった私は、とにかくその場から逃げ出したい気持ちだった。

 

しかし、そんな私のことなどお構いなしに無情にも号砲は鳴った。

周りの選手達がどんどん泳ぎ始めるのを確認し「しょうがない、行くか」とつぶやきながら私もチョロチョロと泳ぎ始めた。最初の25mは何とか足を付かずに泳げたが、その時点で息が完全に上がってハァハァ言ってる状態なのでとりあえずいったん休憩した。

 

その時の私は息継ぎが出来なかったので、呼吸を整えないとその先に進めない。そもそもちゃんとした泳ぎ方を知らない、というより泳げないのだ。

いくら体験会とはいえ、よくそんな状態で参加したものだと感心するしかない。

 

 

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