北海道マラソンの最終関門

 

40キロ走ってきても、ここを3時間45分以内に通過しないと参加した記録さえも残らない。通過できると出来ないとでは、まさに天国と地獄と言ってもいいだろう。

しかし、逆に言えばここさえクリアすればどんなに遅いペースでもゴールまで走らせてもらえる。

 

私は周りで歩いているランナーに自ら声をかけ「40キロをクリアすれば、あとは歩いてもいいんだから」と初出場のくせに生意気にも周りのランナーを励ましていた。でも、たぶんこれは自分に対して言ったつもりなのだろう。

そんな気合いのおかげもあり、何とか40キロの関門を3分前くらいで通過した。

 

「やった~!後は歩いてもいいんだ」

 

北海道マラソンを完走できると言う喜びで軽くウルッときたものの、沿道では沢山の市民が応援してくれている。その時の私には格好を付けてラストスパートをかける気力も、南一条通をゆうゆうと歩ける勇気も無かった。

その時の私に出来ることは「最後まで歩かずに完走すること」それだけだった。

 

ただ、初出場で北海道マラソンの最終関門、40キロを通過した私はとてもいい気分になっていた。

今までの練習や、これまでのレースでの失態を思い出しながら走った。天候は小雨混じりで気温は17~18℃位だろうか。マラソンのための天候としては最高と言って良いかもしれない。

 

そんな中、人通りの多い南一条通りを走っているうちに「ここまで来たら4時間を切りたい」と思うようになっていた。40キロの関門を通過した時点で、規定上あとはゴールまで歩いても「完走扱い」となる。

しかし、このままチンタラ走っていては4時間を切るのは難しそうだったので、ちょっとだけペースを上げてみた。

「あれ?結構行けるな」

私は自分の体が今までにないくらい、良い状態なのが不思議だった。