作.AC真駒内マラソン2015 レポート

大会レポート
開催日時 2015年11月3日(火)
開催場所 札幌市南区
種目 フルマラソン

春から体を6kg絞り、怒涛の8月もそれなりのレースが出来たことで一安心していた。その勢いでロードレースの記録を数年ぶりに更新したい思いに駆られていた。

本来であれば北海道マラソンが終わって2週間後の9月中旬くらいが一番いい時期なのだろうが、なかなかその時期に近場で適当なレースはないし、ルスツに向けてトレイルの練習も必要な時期であった。という訳でギリギリまで考えた上で、この11月初旬のフルマラソンを選んだ。

当日の天候は晴れで気温は10~14℃くらいで申し分ない。昨年は雨と風に混じりみぞれも降っていたようで大変だったらしいが、私は昨年申し込んだ上でのDNSだったので少し申し訳ない気持ちもあった。

そんな罪滅ぼしではないがそれなりに意気込んで、大幅な記録更新を目論んでいた。プラン1は3時間19分で20km1:33-30km2:19、プラン2は3時間24分で20km1:35-30km2:23を目安に考えていた。

このレースではペースメーカーがかなり沢山付くのだが、4:30でも5:00でもない4:40前後を目指していたので最初からペースメーカーは視界にはなかった。

「スタート10秒前」のアナウンスと同時に号砲が鳴ってしまったため(^^;)スタートボタンがちょっとずれたが、スタートロスは10秒しかなかった。それに調子を良くしたのか、抑えるはずの序盤で飛ばし気味になり最初の1キロ表示の看板は4:50で通過。

その後は緩やかな下りだったこともあり4:40を切るペースになってしまった。「マズイ、飛ばし過ぎだ」と思ったものの、その後の登りでも何故か頑張ってペースを維持してしまった。

10キロ通過 0:46:32(46:22)

GPSデータ (4:47-4:39-4:41-4:34-4:38-4:30-4:37-4:36-4:43-4:33)

ここまでプラン1よりも速いペースで走ってしまったが、このペースを維持できる訳がないと思いつつ、少しだけ欲が出てしまう。周りのランナーも向かい風になると私を風除けにしているらしく、グループリーダーにされてしまった。

こうなるとさすがにペースを落としづらくなるので、もう少し頑張ってみようかなと思ってしまう。ここでプラン2のペースに落とせば良かったのだが、向かい風の中で頑張っている自分に酔ってしまい(笑)逆にペースが上がっていた。

同じようなペースの2~3人が一緒に走る状況が続き、その集団のまま数人を抜いていった。多少苦しいが、4分半で走るのがこんなに楽しいなんて思わなかった。まるで普通にいいペースで走っている気がして、20キロの通過タイムが楽しみになっていた。

そんな気持ちのいい時間が続き、ハーフマラソンでも走っているかのようにしっかりとペースを刻んでいた。その時、私は完全に有頂天になっていたのだろう。

20キロ通過 1:32:29(45:57)

GPSデータ (4:49-4:43-4:29-4:29-4:38-4:34-4:26-4:29-4:34-4:36)

一応、目標ペースにはしていたが、まさか本当にプラン1のタイムで通過するとは思っていなかった(笑)とりあえずスタミナ切れだけが心配だったので、ここでバナナを一切れ投入して後半に向かうが、これではちょっと足りないなぁと思っていた。

20kmを通過してバナナ一切れでは足りないと思い、やっぱりジェルか何か持って走ればよかったなぁ、と感じ始めると一瞬弱気になった。その一瞬の弱気が私の気持ちの中で「4:50までペースを落とそう」と思わせてしまった。

一度ペースを落とすと、さっきまで4分半くらいで走っていた軽快さは全く影を失ってしまった。4:50に落としたつもりが、落ち込んでしまった形になっている。ほんの一瞬の気の緩みがペースダウンに繋がったのか、それともすでにスタミナ切れを起こしたのか。

とにかく足の動きがさっきまでとは別人になっているのは明らかだった。こうなると、とにかく気持ちでペースを維持しなければ…と考えていたが、そうは行かない。26キロの折返しからはどんどんペースが落ちていき、さっきまで一緒に走っていたメンバーが遠くに見えなくなっていった。

30キロ通過 2:23:05(50:36)

GPS (4:54-4:50-4:45-4:52-4:56-4:59-5:01-5:13-5:20-5:34)

突然のペースダウンというか、どんどん落ちていくペースを止められない状態になり心理的にはもう走れない気がした。30キロでバナナを二切れ食べて一息つくと「もう止めよう」という気持ちがチラついた。

ここまで一応プラン2の通過タイムを維持しているが、今の走りは全くプラン通りではない。これから12キロも走るなんてとても考えられないほど衰弱していた。ほんのちょっとの登りでも歩いてしまう始末でも、大会スタッフの人たちは「頑張って」「まだいけるよ」と応援してくれる。

これから5分半ペースで走れば自己ベストを更新できそうだが、とてもそんなペースを維持出来るような気はしない。というよりは、そもそもこんな状態で走れるのか?と自分に問いただすくらい足が動かない。

でも「もういい、歩いてもいいからリタイアする訳にはいかない」と思い、とにかくシューズがズルズルと音を鳴らすくらい酷いペースで前に進んだ。前半で抜いたと思われるランナーたちがどんどん私を抜いていくが、全く対応できない。遂には5分のペーサー集団にも抜かれ、足も心もボロボロになっていった。

40キロ通過 3:27:22(1:04:17)

GPS (6:23-5:53-5:48-5:48-6:09-6:27-6:41-6:48-7:12-6:40)

前半で飛ばしすぎると、こんなに走れなくなってしまうものなのか?そんなありえないほどの惨状に悔しさや恥ずかしさよりも、信じられないという気持ちが強かった。もう少し行けるだろうと思っていた自分が、本当に情けない。しかしこれが現実だ。

そう思いながらも、残りの2キロでも所々歩いてしまうほど足がパンパンだった。こんな感覚は100kmマラソンでも感じたことがない。こんなに足が動かないのは、ほとんど記憶にない。

ゴール 3時間42分(14:45)

GPS (6:39-6:45)

こんな展開のレースは本当に初マラソン以来だ。あの時は30キロまでキロ5分ペースで走り、その後はほとんど歩いてしまったという笑える展開。

なぜ20キロまであんなに頑張ってしまったのか?いや、なぜ頑張れたのか?まるでハーフマラソンのような走りでそのまま行けるわけがないのに、調子に乗ってしまった。多少の後悔はあるが、今の自分の実力がハッキリ解ったことが唯一の収穫だろう。

今年は様々なジャンルのレースに11回出場して色んな経験が出来た。その経験を活かして、来年はもう少しレースを厳選しようと思う。来年はある意味、自分のピークだったと思えるような年にしたい。そのためにもこれから様々な準備が必要だろう。

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