はじめに
レース前にコーヒーを一杯飲むと「調子がいい」と感じたことはありませんか?
実はそれ、気のせいではありません。カフェインにはランナーのパフォーマンスをサポートする多くの作用があり、科学的な研究でも裏付けられています。また、エナジードリンクやサプリメントの多くがカフェインを含めています。
この記事では、アスリートが特に気になる効果から順に紹介し、そのエビデンスも交えて解説します。
パフォーマンス向上 ― 後半の粘りを引き出す
カフェインは持久力を高め、レースの後半での粘りにつながることが数多くの研究で示されています。
メタ分析でも「持久系競技のタイムが改善した」という結果があり、実際の競技において確かな武器となります。ウルトラマラソンやトレイルランニングなど長時間競技では、後半の疲労感を軽減し、ペースを維持する助けになります。
集中力アップ ― 脳をシャキッとさせる
カフェインには中枢神経を刺激して眠気を防ぎ、集中力や反応速度を高める作用があります。
国際スポーツ栄養学会(ISSN)のレビューでも、集中力維持や判断力の向上が確認されています。特に長距離レースやトライアスロン後半での「頭のクリアさ」を保つのに役立ちます。
脂肪燃焼をサポート ― リパーゼ活性化の力
カフェインはリパーゼを活性化し、脂肪を分解して血中に放出することでエネルギーとして使いやすくします。
これによりグリコーゲンの消費を抑え、スタミナの持続につながります。エネルギー枯渇が勝敗を分けるマラソンやウルトラにとっては心強い効果です。
基礎代謝を上げる ― じっとしていても燃える体へ
研究によると、カフェイン摂取後に基礎代謝が数%〜十数%上昇することが報告されています。日常的な脂肪燃焼を後押しするだけでなく、練習後のリカバリー期にも有利に働く可能性があります。
クロロゲン酸とカテキン ― コーヒーとお茶の共通点
コーヒーのクロロゲン酸や緑茶に含まれるカテキンは、肝臓で脂質代謝を活発にします。脂肪燃焼や体重管理に寄与する点で、コーヒーやお茶は日常的なコンディショニング飲料としても有効です。
利尿作用は心配しなくていい?
「カフェインは利尿作用があるから脱水になるのでは?」と思う人も多いですが、研究では軽度にとどまり、運動中の水分バランスには大きな影響を与えないとされています。むしろ、通常の水分補給と合わせれば問題なく利用できます。
個人差がある ― 合う人・合わない人
アルコールと同じように、カフェインの効果や耐性には個人差があります。心拍数が上がりすぎたり、胃腸に負担が出る人もいるため、必ず練習で試してからレースに臨むことが重要です。
レース前の「カフェイン抜き」は効果的?
一部のアスリートは、大会数日前から「カフェイン断ち」を実践しています。これは普段から摂取していると耐性がつき、効果が薄れる可能性があると考えられているからです。
ただし、頭痛や倦怠感など「カフェイン離脱症状」が出る人もいるため注意が必要です。大切なのは「練習で試して自分に合うか確認する」ことです。
これはカーボローディングのやりすぎと似ていて、人の話をうのみにしていきなり本番で始めると本来の狙いと逆効果になる可能性がありますので、必ず事前に効果を確かめることをお勧めします。
私自身も100kmマラソンでは毎年60時間程度カフェインを抜き、レース後半に摂取する戦略をとってきました。科学的な根拠は限定的ですが、プラセボ効果も含めて「効いた」とポジティブに働いたと感じています。
カフェインはコーヒーだけじゃない
カフェインはコーヒー以外にも多く含まれています。
-
緑茶・抹茶:カフェイン+カテキンで脂肪代謝をサポート
-
紅茶:集中力アップに有効
-
エナジードリンクやサプリ:高用量を摂取できるが糖分や添加物に注意
-
カカオ(チョコレート):少量ながらカフェインを含む
👉 つまり「カフェインはコーヒーだけの特権」ではなく、普段のお茶習慣でも自然に取り入れられるのです。
まとめ ― カフェインを賢く使うために
-
レースパフォーマンスを引き出す効果あり
-
集中力や反応速度を高める
-
脂肪をエネルギーに変えやすくする
-
基礎代謝を数%〜十数%上げる
-
コーヒーのクロロゲン酸やお茶のカテキンも脂質代謝をサポート
-
利尿作用は軽度で大きな問題にはならない
-
体質差があるので「必ず練習で試す」こと
-
レース前に3〜4日カフェインを抜くと効果が増す場合がある
-
コーヒー以外にも、緑茶・抹茶・紅茶・チョコレートなどに含まれている
✅ レース1時間前にコーヒー1杯(約150mgカフェイン)が目安。
✅ 長時間の競技では眠気対策としても有効。
カフェインは科学的な裏付けと実体験の両面で、ランナーの「秘密兵器」と呼べる存在です。正しく使い、自分の身体に合った戦略を練習から試していくことが、本番でのパフォーマンスを引き出すカギになります。
コメント