マラソンと赤血球

アスリート的健康学

 

私は年に数回の献血をやっていますが、マラソンランナーにとって必要な酸素は、血液の中にある赤血球によって運ばれていることをご存知でしょうか。

そもそも赤血球とは血液の組織の一つで、白血球や血小板と共に血液の中にあって様々な役割を果たしており、ヘモグロビンなどから作られています。その赤血球の主な役割は、肺で作られた酸素を血液を通して体全体に運んでいるので、ランナーが筋肉を動かしたり、内臓を働かせることが出来るのもこの赤血球があるからなんです。

 

ところが、ランナーは走る度にその赤血球をどんどん失っているんです。体中を巡っている血管にはとても細かい毛細血管があり、ランナーが足を着地するとその毛細血管の中にある赤血球が破壊されているというんです。だから、長い距離を走ると我々は呼吸が苦しくなったり、筋肉や時には頭の中も思うように動かなくなります。

これは私が献血した時の赤血球とヘモグロビンの量の推移です。

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細かくて見えにくいかもしれませんが、献血する時期によりかなり上下の変動があるように思われます。だいたい、5%~15%くらいの上下動があります。

 

これは私が大きなマラソン大会に出場した後に献血することが多いため、それ以外の時と比べると赤血球が急激に減少していることがよく解ります。シーズンオフに550あった赤血球が、その年のウルトラマラソンを走った直後には490にまで減っています。この時は約11%の赤血球が失われたわけです。また、100kmマラソンを走り、その1週間後に北海道マラソンを走った時も約10%の赤血球が減少しています。その逆にウルトラマラソンを走った数ヵ月後に、自転車で大ケガをした時は赤血球が15%増えたりします。

また、これ以外にも女性の場合生理の時に多くの赤血球を失うそうです。だから女性は貧血の方が多いんですね。

 

以上のようにランナーにとって赤血球はとても重要であり、また必要なのです。ちなみに赤血球を増やすには鉄分が必要だそうです。

その代表的な食品がレバーです。

特に豚のレバーは鉄分が大量に含まれているので、実業団の選手は食欲が無くても無理矢理レバーを食べさせられるそうです(笑)そうしないと貧血で倒れるくらいの練習をしているのだから当たり前なのかもしれませんね。

その他にもごまやひじき、海藻類に多く含まれておりますが、いずれもそんなに沢山食べられるものではないですよね。だから乾燥大豆やきな粉、高野豆腐などの大豆製品や松の実、カシューナッツなどのナッツ類から摂取する方が多めに摂れるかもしれません。あとは意外に卵の卵黄にも結構含まれておりますし、レバーは鉄分が多い順に「豚>鶏>牛」です。また、ビタミンCと一緒に摂ると吸収が良いそうですよ。

 

ただ、最近は鉄分のサプリなども多いのでそれを利用した方が早いという話もありますが…

 

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